2011-01-01から1年間の記事一覧

思考停止を喚起するフレーズ

2011年も残すところ僅かだが、思いついたテーマに沿って、いくつかまとめてみたい。今回は「思考停止を喚起する決まり文句」だ。「格言」であれ「ことわざ」であれ、とても良いこと・大事なことを表現しているのだが、あちこりで多用されたり何度も繰り返し…

金正日(キムジョンイル)氏、死去

他にも触れている人が大勢いるだろう。でも本日、金正日(キムジョンイル)氏死去のニュースを受け取ったことを記載しておこう。69歳だそうだが、すごい長生きしたとは言いいがたいない年齢だ。国家を独裁し、勝手気ままが許されるのだから、衣食住には不…

「幸福度指標作成」という道楽

「幸福度指標」で最終案=130項目、有効性検討へ―内閣府 というニュースが目に付いた。どうやらこの珍妙な「ハッピー指数」の作成は「新成長戦略の一環」として閣議決定事項らしい。他にもっと政権実務的にやるべきことがありそうなのだが・・・。しかも、出…

「プロ・シクリカル装置」としての時価会計と格付け依存とバーセルⅢ

IFRSとかバーゼルⅢといった国際的な視野での企業会計制度や金融資本規制に対する改革論が盛んだが、そうした議論の中で(特に資本規制で)たびたび潜在的且つ構造的な問題点として「プロ・シクリカル性」というのがある。プロ・シクリカル(pro-cyclical)性…

「大卒男子初任給 最高と最低で5万円以上の差」とれまがニュースより

「とれまがニュース」という耳慣れないサイトにあった記事だ。 記事元はこちら http://news.toremaga.com/politics/country/366316.html一部転載すると 「厚生労働省の平成23年賃金構造基本調査で大学卒業者の初任給は男子が20万5000円、女子が19…

ガラパゴスか、ウィンブルドンか

日本はウィンブルドンにすらなれない(目指してもいない?)反面、ひたすらガラパゴス化が進んでいるように感じる。ウィンブルドンとは文字通りテニスの四大国際大会ウィンブルドン選手権のことであり、自由競争を通じた切磋琢磨の開かれた世界を比喩するも…

「ウィンブルドン」にもなれない日本

だいぶ前(10年から15年前くらい)「ウィンブルドン化」とか)「ウィンブルドン現象」というフレーズが流行った。ちなみに、ウィンブルドンとはテニスの4大国際大会のひとつである英ウィンブルドン選手権のことだ。お仕事で経済について触れる機会のある方に…

総務・財務・経理という会社の恥部隠し担当部署

オリンパスの菊川前会長は今回の「飛ばし」という不正会計事件の当事者であるが、飛ばしの発端となる財テクは菊川氏が財務部にいた80年代後半頃、当時の社長が積極的に始めたそうだ。時価会計が導入された平成13年(今からちょうど10年前の2001年だ)当時、…

加点主義の来た道、減点主義の行く末

採点とか考課の問題で加点主義とか減点主義といった語がしばしば登場する。明確で強固なイデオロギーや主義というよりも、恐らく各種評価や採点の現場において「どちらかと言えば加点志向」といったような風合い感レベルでの話だろう。念のための確認だが、…

自首するタイミング

一部では「オリパンス・ショック」と呼称する向きもあるようだが、如何なる大規模な不祥事の露呈でも、最初に「自首」すれば相対的に軽微で済んだはずだ。すると「自首するタイミング」というのは内外に与えるインパクトの兼ね合いでみても重要になってこよ…

粉飾、損失先送り、飛ばし

「オリンパス事件」だが、どうやら過去に発生した損失計上の先送り、いわゆる「飛ばし」だったようだ。決算の粉飾に相当すると思われるので、巷では早くも上場廃止だの只ならぬ雰囲気が漂っている。ニュースなどに「80年代の財テクブーム」という半ば死語と…

インパクトの格差

「世田谷生まれのグルコサミン」かと思ったら、ラジウムだった。どうやら原発由来ではない放射性物質が世田谷区から数多く散見されている。専門家によればラドン温泉とかラジウム温泉、花崗岩を使った施設(国会議事堂)でも放射線のホットスポットはあるみ…

米、過去30年リターンで比較したら債券が株式を上回った

ブルームバーグからこんな記事が、http://www.bloomberg.com/news/2011-10-31/bonds-beating-u-s-stocks-over-30-years-for-first-time-since-19th-century.html「1861年以降で初めて、過去30年リターンで比較したら債券が株式を上回った」という記事…

異才の優勝監督の辞任

古い話題だが、落合中日ドラゴンズ監督が任期満了に伴い辞任した。辞任の発表時点での中日ドラゴンズのぺナント順位は2位だったが、結局優勝した。10ゲームの差を引っ繰り返しての優勝なので、本来なら(例えばこれが長島監督とか原監督のようなスター監督な…

オリンパスは「未公開株に引っ掛かった個人」のようなものか?

オリンパスは「未公開株に引っ掛かった個人」のようなものかなあと思い話を創作してみました。以下、勝手な想像です。●当時、キャッシュフローもリッチだし海外案件の拡充に急ぐあまりやや脇が甘くなったオリンパスは、欧米バンカーの口車につい乗ってしまっ…

ジョブズ氏亡き後のアップルの行方

アップル社は今後どうなるのか?なんてことを想像してみた。以下は想像なのでなんら事実にも基づかないし情報にも基づいていない「勝手気ままな見解である」ということだけをあらかじめお断りしておく。また、アップルに有利若しくは不利益な方向へいたずら…

神経・行動経済の洋書を紹介

The Little Book of Behavioral Investing: How not to be your own worst enemy (Little Books, Big Profits (UK))作者: James Montier出版社/メーカー: Wiley発売日: 2010/01/26メディア: ハードカバーこの商品を含むブログ (1件) を見る本書はちょうど1…

ウォール街の中の懲りない面々

10月9日付のFTfmが投資銀行の新しいビジネスを紹介している。 タイトルは“Banks dash to deal with volatility”、邦題として「ボラティリティ・ビジネスに走る投資銀行”とでも仮訳しておこう。(参照した記事はこちらになる。) High quality global journal…

The Paradoxical Brain (逆説的な脳の話)

The Paradoxical Brain作者: Narinder Kapur,Alvaro Pascual-Leone,Vilayanur Ramachandran,Jonathan Cole,Sergio Della Sala,Tom Manly,Andrew Mayes,Oliver Sacks出版社/メーカー: Cambridge University Press発売日: 2011/07/21メディア: ハードカバー ク…

ブラッド・ピット主演、映画『マネーボール』

ブラッド・ピッド主演で映画『マネーボール』が上映されます。この『マネーボール』に関して、実は偶然にも6月26日にコメントをhttp://d.hatena.ne.jp/sasukekumakichi/20110626/1309108401 書いていました。プロスポーツでもビジネスでも競合しあう他社との…

人工光合成に託す夢物語

素直に「すごいなあ」と思えたニュースがあります。それは「世界初の「完全」人工光合成に成功 豊田中央研究所」というタイトルでmsn産経ニュースから配信されていたものでした。こちらです http://sankei.jp.msn.com/life/news/110920/trd11092018350010-n1…

組織が変われない理由

あらゆる組織に言えることだと思うのだが、「組織が自らの内部的な力によって“変われない(変わることが難しい)”大きな理由は、変わると都合の悪い人が案外大勢いる」ということに尽きる。所属員達はそれまでに培われた方法・習慣・文化・善悪などの内部規…

鉢呂経済産業大臣、辞任

NHKニュースより 「鉢呂経済産業大臣は、福島県の被災地を視察したあと、記者の体に触れるような仕草をしながら、「放射性物質がうつった」などという趣旨の発言をしていたことなどの責任を取りたいとして、10日夜、野田総理大臣に辞表を提出し、受理さ…

鉢呂経済産業大臣,

作家と作家志望者とのやりとり

中学校の頃、通っていた塾の国語のテキストに次のような内容の文章が設問文として載っていました。尚、記憶を頼りにあらすじを記しただけなので細かい点で正確さを欠くかもしれません。著名な小説家先生の許に小説家志望の学生が尋ねてきます。学生は将来作…

先送りする脳2

2011年8月26日のブログに「先送りする脳」について書いたが、今回はその続き。人間は時間的資源に関する“resource slack”(資源の余裕度)を勘案する際、現在から将来に向かってそれらの余裕が増加すると思いがちだということを書いた。そのため「今…

消費税の滞納率は?

野田増税内閣が成立したのだが、増税の本命ターゲットは消費税だろう。でも、消費税ってキチンと納められているの?という疑問がどうしても沸いてしまう。TV取材などによれば、ギリシャでは小売事業主による売上税の滞納や、売上隠しが横行しているらしい。…

国家と心中する金融

欧州での銀行間取引が2009年の金融危機直後並みの低水準にまで落ち込んでいるそうだ。ということは、まさに今既に「二度目の金融危機状態」なのかもしれないが、銀行が互いを信用できなくなるのは異様な状態と言って過言ではない。こうした銀行同士で互いが…

金返せ!

9月4日付のウォール・ストリート・ジャーナル氏によれば、「米当局がバンカメや野村など17金融機関を提訴、住宅ローン証券販売で」の見出しで、“米連邦住宅金融局(FHFA)は2日、世界の17の金融機関が監督下のファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)とフレ…

増税派総理誕生!

しばし日数が開いてしまったが、その間、民主党代表選が実施され野田佳彦氏が代表に選ばれ、総理大臣になった。本日、9月2日に無事組閣人事が終了。来週から本格稼動体制になる。民主党代表選での立候補者の中で、野田氏は唯一の増税容認候補であったが、…