#小池百合子 「鉄の天井」よりも「墓穴」

希望の党代表の小池百合子氏による気になる発言が目についた。2017年10月24日の日経朝刊4面で小池氏は(女性の進出を阻む)「鉄の天井があった」との見解を述べている。

実際に彼女はそう感じざるを得ないような「自分の思うに任せない場面」等に遭遇したため、そういう"見えないバリアー"の存在を認識したのだろう。
ただ、鉄天井発言をした様子を傍で見ていて、これは少々片腹痛いと感じた。それどころかちょっとした炎上ものだろう。

個人が「ガラスの天井」のような外部障壁による疎外感を抱こうが抱くまいが「カラスの勝手」だ。だが、カラスの勝手を意見表明するとなると勝手は異なる。このタイミングでは敗戦の「いいわけ」のような一種の弁明と受け止められる可能性があろう。小池氏は選挙期間中が棘のある「排除発言」で"伝え方"を見誤った小池氏だが、選挙後になって「鉄の天井発言」で"伝わり方"でも物議を醸しだしそうだ。すなわち、鉄天井発言が下手すると「負け惜しみ」として伝わるリスクだ。

「党勢の失速」と「選挙戦の敗北」は排除発言による自滅が主原因だと有権者は感じていよう。排除発言の結果、枝野氏による立憲民主党という、"爽やかで男気のあるイメージで売る「第二希望の党」のような存在"を増長させた(今や、希望の党の真のライバルは党キャラの似る立憲民主党だ)からである。

少なくとも、小池氏自身の"落ち度"や"至らなさ"といった内因が顧みられるべきであろう時に、「鉄の天井」という外因に言及すると、周囲にイソップの"すっぱいブドウ"を彷彿とさせる。

自滅であることを棚に上げて「失敗したのは自分のせいではなく周りのせい」と解釈されうるリスクのある「鉄の天井」発言を、選挙直後のようなナーバスな時期にしてしまうと、かえって火に油だし、同時に恥の上塗りだ。

「鉄の天井」よりも「墓穴」に気を配らないと、小池氏の復活は遠のくばかりだ。