米、過去30年リターンで比較したら債券が株式を上回った

ブルームバーグからこんな記事が、

http://www.bloomberg.com/news/2011-10-31/bonds-beating-u-s-stocks-over-30-years-for-first-time-since-19th-century.html

「1861年以降で初めて、過去30年リターンで比較したら債券が株式を上回った」という記事。では、今後もこの傾向が続くのかといえば、それは別の話。ただ、感じたことは債券はQE2などで買い支えて貰えるが、株式はその限りではない。その辺りの「モラルハザード」が反映されている感があるなあという点だ。

株式は満期がなく弁済順位の低い、俗に「永久劣後債」とも言われるが、経営の失敗による損害は株主責任の名の下、「いの一番」で被る。また、株...主には「残余利益分配権」があるとは言え、投資判断の失敗時には自己責任が求められる。結局、「流しそうめんの立ち位置順位があらかじめ低いという株主責任」と「判断の失敗は自己責任ということで放置される」といった2つのリスク(「リターンの標準偏差」などという教科書統計ではなく、これこそが真のリスクだ)が常に内在する。なので、コンペンセーションが高くあって欲しいのだが、金融危機時に政府がバックアップするのは「相対的に保護されている債権者」なのだ。これはモラルハザードになるだろう。

実際、欧州銀の資本強化政策で資本を提供した株主は報われていない。

よしんば、株主には「経営ガバナンス権」があるというが、実際はオリンパスのようなケースが大半だ。株式と債券を比べると日本では債券の発行額の方が圧倒的に多い。したがって、"Too Big To Fail"と同様、債券は"Too Issue To Fail"(発行し過ぎてて潰せない)のだろう。