壁と橋

十年以上前に「バカの壁」という本がベストセラーとなった。「バカ」とは"人間どうしが互いに理解できない、疎通できない局面"を表す。「壁」とは“コミュニケーションの障壁”のことだ。つまり、“互いにコミュニケーションができない何らかの要因”がバカの壁…

もやしとビッドコイン

「もやし」の値段は下がり続け、「ビッドコイン」の値段は下がり続ける、この現象は何によって説明され、どのような解釈が妥当なのだろうか?「もやし」に似た性質のモノは他にもある。例えば、卵、牛乳、ティッシュペーパー、豆腐、納豆といった食材だ。こ…

#橋下 徹氏 「ボケ」をかます

ニュースによれば、前大阪市長の橋下徹弁護が吠えたようだ。https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/201710270000196.html http://www.sankei.com/politics/news/171025/plt1710250075-n1.html ツイッター上で党代表選が必要と訴えた日本維新の会…

#行動経済学セイラー教授 ドラフトでは「外れ1位」に妙味あり

2017年のノーベル経済学賞を受賞したシカゴ大学のリチャード・セイラー教授は米NFLでのドラフト指名権の非合理性を研究している。彼の著書「行動経済学の逆襲)によれば、米NFLではドラフト上位指名権を複数の下位指名権と交換するといったように指名権をチ…

#小池百合子 「鉄の天井」よりも「墓穴」

希望の党代表の小池百合子氏による気になる発言が目についた。2017年10月24日の日経朝刊4面で小池氏は(女性の進出を阻む)「鉄の天井があった」との見解を述べている。実際に彼女はそう感じざるを得ないような「自分の思うに任せない場面」等に遭遇したため…

#希望の党 「排女」小池百合子の落日

【与党圧勝】 第48回衆議院選挙(定数465、2017年10月22日投票)の結果が揃った。自公で312議席の獲得と3分の2(310議席)を上回る圧勝となったわけだが、自民党は単独でも公示前の283議席から1つ伸ばして284議席を獲得。分母である定数が前回比で10減だった…

書評2012年11月

休暇中に読んだ本について備忘録代わりに記しておく。『入社10年目の羅針盤 岩瀬大輔著』 岩瀬氏はネットライフ生命を創立し、その副社長を務める実業家だ。本の中で彼が以前にコンサルティング会社に勤務していた様子やリップルウッド時代のことが書かれて…

改善と競争

米国では大統領選の真っ只中だ。オバマ大統領は最近の演説で「競争(competition, race)」といったキーワードを多用して、米国を活気付けようとしているらしい。しかしながら、「競争」は“切磋琢磨”というポジティブなニュアンスもあるが、含みとして“蹴落…

バカの壁の因数分解

他人と意思疎通を図るのは難しい。そのことを養老先生は「バカの壁」と称し一世を風靡した。半ば国を挙げて一生懸命「コミュニケーション力」を高めようとしているご時世に「バカの壁がある以上、それは無駄だよ」と喝破したのだ。そりゃそうだ。皆様、自分…

みんなが期待すると期待以下の結果に終わる

世の中「みんなが期待すると結果は期待以下になりやすく、みんなが期待しないと結果は期待以上になる」という法則のようなものがある。これを「サプライズの相対性の法則」とでも名付けるとすると、起きた結果に対する周りの評価は、結果の絶対的水準ではな…

なぜだまされる(4) あいまい×重要=流言

「心理学科の○○先生のゼミに入ると、ハト小屋の掃除を義務付けられる」立命館大学教授(社会心理学)のサトウタツヤさんは、ある大学で広がったうわさについて調べたことがある。話は事実ではなかったが、心理学科の学生の間で広まり、信じる人間が相次いだ…

[なぜだまされる](3)「有名人の推薦」に同調

ネットで評価…実は宣伝かも あるプロスポーツ選手のブログが、ネットで話題になっている。基本的には自分の出場した試合中心の内容だが、時々、自分が使う日用品を取り上げ、「優れもの」「気に入っています」などと薦めたりする。唐突な紹介の仕方に、それ…

[なぜだまされる](2)目先の利益を望む心理

毎月型投信のリスク軽視東証が開いた初心者向けの資産運用セミナー。行動経済学の知見とともに金融知識の習得も大事だ(東京都中央区で) 月900円ずつもらうのと年1回にまとめて1万2000円もらうなら、どちらを選ぶだろうか。前者は年間1万800円…

[なぜだまされる](1)涙声の「身内」 判断力奪う (読売新聞から)

「知っていたのに」「注意していたはずが」と言いながら、我々はだまされたり、うそを信じたりしてしまう。そこには人間の心理を巧みについた仕掛けがある。なぜだまされるのかを理解し、そのうえで被害防止策を練りたい。振り込め詐欺 聞き分けられず振り込…

思考停止を喚起・蔓延させるフレーズ(2)

会話が不毛になり互いに思考停止に陥るフレーズについて。1.絶対○○だな!?(例、絶対大丈夫だな!?絶対上手くいくな!?)という過剰な「念押し」2.もし上手く行かなかったらどうする?という、「やる前から失敗した場合を想定するとは何事だ!」とい…

小さな成功体験

何事でも成就するには「地道に小さな成功体験を重ねていこう」という意見があった。そう言われれば90年代から00年代を経て10年代に至るまで日本ではビジネスでの成功談や成功体験は極めて乏しいように感じる。少なくとも自分が所属する業界である証券投資・…

時代と広告

2012年7月15日付日経新聞朝刊の32面(文化面)で、コピーライターの仲畑貴志氏の記事が乗っていた。「時代と広告のまわり」との題名で広告の役割だけでなく、彼なりの世界観や人生観の書かれている(もっともこの「文化面」は、当該分野を「生涯の活動」、は…

「餅は餅屋」ということか

2012年7月8日付けの日経新聞13面「日曜に考える」の欄で、フェノウエイブインベストメント社長の若林氏のインタビュー記事が載っていた。言わずと知れた「エレクトロニクス産業の重鎮アナリスト」であり、日経のアナリストランキングでも1位を取ったことのあ…

「グーグル検索に潜む牙」(2012年4月29日日経12面記事より)

2012年4月29日付日経新聞の12面「日曜に考える」の欄で、ちょっと考えされられる記事があった。記事の内容はこうだ「会社から退職勧奨されたAさん。会社に理由を求めると、あなたとの犯罪行為の関わりが書かれたウェブサイトが存在しているとの回答。Aさんは…

低ボラティリティ環境で資産残高が高水準=ブラックスワン

一般に、金融市場でのボラティリティが低いと当該資産の残高を積み上げ安くなるので、高収益を狙って「レバレッジ」を賭けやすくなる。特に長期にトレンドが形成されていて、安心感のあるストーリーやシナリオ(当局や国がなんとかくれるといったこと)があ…

宝くじ1等賞金7億5千万円に 上限を250万倍に引き上げ

記事によれば「総務省は21日、低迷する宝くじの売り上げ回復に向け、くじ1枚当たりの金額の100万倍までと定められている1等賞金の上限を250万倍に引き上げる方針を決めた。一般的な1枚300円のくじでは、上限が3億円から7億5千万円にアップ…

数学バカと数学オンチの不毛な会話

私は理系であり、ホンの学部卒ながら専攻学科は数学科である。数学科というところは修士や博士課程進む人間が過半である世界なので、学部卒止まりというのは「数学の学術業界」で言えば、差し詰め「高卒」に換算されると思う。したがって、私自身にはそれほ…

吉野家シンドローム

牛丼最大手、吉野家が苦戦している。「値下げキャンペーン」も頻発気味ゆえ、もう効かなくなってきた。そもそも牛鍋丼なる“牛丼そっくりさん商品”を280円という低価格で常に販売しているのだから、たまに380円の牛丼を同じ価格まで値下げしても意味がなさそ…

思考停止を喚起するフレーズ

2011年も残すところ僅かだが、思いついたテーマに沿って、いくつかまとめてみたい。今回は「思考停止を喚起する決まり文句」だ。「格言」であれ「ことわざ」であれ、とても良いこと・大事なことを表現しているのだが、あちこりで多用されたり何度も繰り返し…

金正日(キムジョンイル)氏、死去

他にも触れている人が大勢いるだろう。でも本日、金正日(キムジョンイル)氏死去のニュースを受け取ったことを記載しておこう。69歳だそうだが、すごい長生きしたとは言いいがたいない年齢だ。国家を独裁し、勝手気ままが許されるのだから、衣食住には不…

「幸福度指標作成」という道楽

「幸福度指標」で最終案=130項目、有効性検討へ―内閣府 というニュースが目に付いた。どうやらこの珍妙な「ハッピー指数」の作成は「新成長戦略の一環」として閣議決定事項らしい。他にもっと政権実務的にやるべきことがありそうなのだが・・・。しかも、出…

「プロ・シクリカル装置」としての時価会計と格付け依存とバーセルⅢ

IFRSとかバーゼルⅢといった国際的な視野での企業会計制度や金融資本規制に対する改革論が盛んだが、そうした議論の中で(特に資本規制で)たびたび潜在的且つ構造的な問題点として「プロ・シクリカル性」というのがある。プロ・シクリカル(pro-cyclical)性…

「大卒男子初任給 最高と最低で5万円以上の差」とれまがニュースより

「とれまがニュース」という耳慣れないサイトにあった記事だ。 記事元はこちら http://news.toremaga.com/politics/country/366316.html一部転載すると 「厚生労働省の平成23年賃金構造基本調査で大学卒業者の初任給は男子が20万5000円、女子が19…

ガラパゴスか、ウィンブルドンか

日本はウィンブルドンにすらなれない(目指してもいない?)反面、ひたすらガラパゴス化が進んでいるように感じる。ウィンブルドンとは文字通りテニスの四大国際大会ウィンブルドン選手権のことであり、自由競争を通じた切磋琢磨の開かれた世界を比喩するも…

「ウィンブルドン」にもなれない日本

だいぶ前(10年から15年前くらい)「ウィンブルドン化」とか)「ウィンブルドン現象」というフレーズが流行った。ちなみに、ウィンブルドンとはテニスの4大国際大会のひとつである英ウィンブルドン選手権のことだ。お仕事で経済について触れる機会のある方に…