ジョブズ氏亡き後のアップルの行方

アップル社は今後どうなるのか?なんてことを想像してみた。以下は想像なのでなんら事実にも基づかないし情報にも基づいていない「勝手気ままな見解である」ということだけをあらかじめお断りしておく。また、アップルに有利若しくは不利益な方向へいたずらに誘導するつもりもないし、私はアップル社のステークホルダーでもなんでもない。市井の野次馬のひとりだ。

野次馬の意見としては、第一に今後数年でアップル社の株が「紙切れ」になってもなんら不思議ではないなあということだ。「紙切れ」というと甚だ騒々しい物言いだが、経路としては「丸ごと身売りされる」とか「コダックのように小出しに資産を売る」とか色々だろうが、経営的には今がピークではないかと感ずるのだ。

なぜそう思うのかの一番の理由は、かつてジョブズ氏まだご健在の頃、一度アップル社を離れたが、その後経営はたちまち困窮し、当時最大のライバルだったマイクロソフト社の事実上の支援を受ける羽目になったという歴史的事実があることだ。そもそも、よくみるとアップルの経営基盤は案外もろい。移ろいやすいコンシューマーをメインの相手としている商売なので、コンシューマーに飽きられたりしたとたん経営のリソースを失う。いわば政党支持率ではないが「コンシューマーから支持率」次第なのだ。ジョブズ氏は、例えて言えば非常に一般消費者からの支持率の高い「首相」若しくは「大統領」として君臨していたが、次の大統領が同じような支持率を継続できるかどうかが鍵となる。

また、天才に依存している組織は天才がいなくなるとダメになることが多い。例えば、日本のソニーもそうだ。会社としては存続しているものの創業者が采配を振るっていた頃とはもはや別物だろう。「守勢は創業よりも難し」なのだ。

第二に、社内外の統治も困難に直面するだろう。まさに「モンゴル帝国」並みのスピード感で発展し規模を拡大したが、立役者がいなくなった今、その反動が起きる可能性がある。なかには不服がありながらもなんといってもチンギスハーンであるジョブズ氏が怖いので服従していた下請けとか協力会社もあるだろう。そういった「沈黙筋」が機を見て反抗するのではないかと思うのだ。具体的にどこにどんな不平不満分子がいるのかわからないが、アップル社はこれから「内部者や協力者の反逆」の沈静化に案外手間取るのではないか?そうなると経営は後手に回る。

敵に回しても怖くないと思われると、八方から攻撃されダメージを受ける。アップルの新経営陣はそのことを覚悟すべきだろう。

最後に、iPhoneもすでに4Sと4回半目のシリーズを迎えた。ドラマでも映画でもPart4くらいになるとマンネリ感が出てくるが、今回の4Sでそうなるリスクはますます高まっていると思われる。観客動員数は次第に減っていくのではないか。それにどう対応するのかも見ものである。

少なくとも前途は相当多難だろう。