低ボラティリティ環境で資産残高が高水準=ブラックスワン

一般に、金融市場でのボラティリティが低いと当該資産の残高を積み上げ安くなるので、高収益を狙って「レバレッジ」を賭けやすくなる。特に長期にトレンドが形成されていて、安心感のあるストーリーやシナリオ(当局や国がなんとかくれるといったこと)があると主観確率は一層低下する。これはそのシナリオやストーリーが神話化するまで続く。

反対に、ボラティリティが高いと予め「リスクが高い」と見なされて、長期のレバレッジが賭け難い。但し、短期的には「利抜け」できる可能性が高いので、例えば仕手株などはボラティリティが高まると目先筋の参加者が集まってくる。文字通り「利抜けカード」をひくか「まぬけカード」をひくかという「短期ジジ抜きゲーム」だ。

前者の場合、レバレッジとしてオプションが利用される。好金利通貨ファンドなどでは利回りを高めるために、プットをうったりした。残高水準の上昇とプットの売りの上昇が共に起きたのだ。こうした、やりすぎは後々のブラックスワンになる。昨年の9月のブラジル・レアルの暴落ではないが、「低ボラティリティ+残高+プットオプションの売り」というのは何かの予兆を表現くれるかもしれない。

後者のような短期ジジ抜きゲームはどうか?「新規の空売りを締め出すための逆日歩」、「材料」、「低水準の売買代金」、あたりがシグナルになるのだろうか。