小さな成功体験

何事でも成就するには「地道に小さな成功体験を重ねていこう」という意見があった。そう言われれば90年代から00年代を経て10年代に至るまで日本ではビジネスでの成功談や成功体験は極めて乏しいように感じる。少なくとも自分が所属する業界である証券投資・運用顧問業界はそうだ。30代〜40代の「オトナ」に殆ど成功体験がない。20代からすればセンパイ達の成功談が「空っぽ」というのは心許ないだろう。昔は、あんたが大将を地でいくような「オレがオレが」型が多かったが。成功体験のシュリンクと共に、センパイもシャビーになった。

人間にとって原体験とは、それがそっくりそのまま「モノの見方や考え方」のコアになってしまうくらいのインパクトを持つ。成功体験の不在は「がんばったって、できない」空気を醸成してきたように思える。70年代あたりから三無だの五無だの、若者の無気力について語られてきたが、いよいよ世代を問わず無気力化が進むような気がする。成功の体感は重要だ。そうでないとドーパミンが不足し、強化学習に繋がらない。