謝り方のポイント

http://news.www.infoseek.co.jp/topics/society/n_r25so3__20110804_6/story/r25spcate_wxr_detail_id2011071500020780r25/(R25WEBより)

経済評論家の山崎元のよる5つのポイントです。

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1.「決して嘘をつかない」
自分の罪を軽く印象づけたいがために、大小の嘘を交えることは、謝罪の局面ではよくあることだが、謝罪の際に嘘をついて、それが後から発覚するのが「最悪の事態」。 謝罪する状況では、自分の言葉を信じてもらえなければ、何も伝えられなくなってしまう。 まずは嘘を決して言わないことだ。謝罪の場面ではなかなか難しいことでもあるが、腹を括って正直になるのがポイント。

2.「できるだけ早く謝る」
不祥事やミスに対する相手の怒りは、不始末の発覚からしばらくの間、時間の経過と共に増大する。謝罪の効果は、相手の怒りと謝罪の内容(軽重)のバランスで評価されるので、少しでも、早く謝るのが吉。


3.「謝罪に言い訳を混ぜない」
謝罪とは、相手の怒りの感情を鎮めるために行う行為であり、厳密にはそれだけが目的だ。謝罪は交渉ではない。だから、謝罪の際に言い訳を混ぜると、受け手側では、「コイツは自分が悪いと真剣には思っていないな」と感じて、怒りのレベルがかえって上がってしまうことが多い。謝罪では相手の損害・不便・不具合などを「重大だと考えています」という気持ちを伝えることだけが必要であり、自分に悪意がなかったなどの言い訳は全く余計なのだ。自分の気休めを謝罪に混ぜるのは控えるべきだ。


4.「相手の感情への対処とこちらの責任問題とを峻別する」
謝罪の目的は、相手の感情に対処すること。この際に、法律・契約などで必要な手続き以上に、相手に対して何かを約束するようなことをしてはいけない。たとえば会社の不始末を詫びる場合は、自分が会社を代表する個人として相手が被った損害や不具合を重大に考えていることを最大限に伝えなければならない一方で、会社にとって必要でかつ適切な補償以上の補償を約束するようなことを個人の裁量で行ってはいけない。


5.「具体的な対策を用意して詫びる」
これからどうするのかという「謝罪時点での」具体的対策が必要。何も用意がない場合には、「事態を重大だと思っていない証拠だ」と判断されてしまう危険がある。具体策に関する相手側の期待値も、時間と共にハードルが上がることが多い。その意味でも、より早く対策を提示して謝る方がよい。


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他にも
「よくあることと高をくくって、軽く謝ったら大炎上」
「都合の悪いこと=言い難いことだけに、謝るタイミングが遅くなってしまう…。なんてことだけは避けたい」
などなど。

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ひとことで片付けてしまうのは恐縮ですが、要は「誠意が伝われば○、悪意があると思われれば×」なのでしょう。体裁的には謝罪のようなのだが、どことなく「不正直さ」や「自己保身」などが見え隠れするとアウト。上記の5ルールはそうしたアウトを回避するのに非常に参考になります。

また、巷での謝罪が功を奏さないことが多いように見受けられるのは、これらの5条のどこかに違反しているからなのだと思われます。ですから、簡単そうなのだが実践すると意外に「違反しやすく徹底し難い」ルールなのかもしれません。なぜでしょうねえ。

以前のブログでも書いたように人間の脳は
「熱血漢で、そそっかしく、早とちり型」のXシステム

「理論派だが、妄想癖があり、その分だけのろま」のCシステム
との複合作用で良し悪しを判断しているのですが、相手の不始末などで怒って「カァッ!」となったりすると、一時的ですが熱血漢の「Xシステム」が支配的になります。

そんな状況だと「何いってもムダ」でしょう、恐らく。平身低頭であればあるほど「平謝りすんじゃねぇ!」のように逆ギレしたり、タイミング的に早めに謝っても「さっさと謝罪して幕引きを図ろうとするんじゃねぇ!」なんて言われたり、「具体的なちゃぶ台(提案)を準備」しても「ちゃぶ台」をひっくり返されたり・・・。相手が興奮していれば、どう転んでも、「ああいえばこういう」ではないですが、いちゃもんや難癖をつけられやすい。

そう考えると、謝罪ルール5か条の実行は、謝罪相手の心理状態(興奮しているのか、比較的冷静か)を見極めてからでないと、空振りに終わる可能性も高そうです。ただ単に「怒りに任せて罵声を浴びせたいだけ」みたいな人もいますので、0番目として

0.余計なくちばしは挟まず、ひとまず相手の怒りや興奮が一段落するまでじっくり聞く耳を持つ、そして相手の言い分に対して共感・理解・敬意を示す

というのも大事かもしれません。怒り心頭の相手から見れば、こっちが何を話しても言い訳にしか聞こえないものだったりするので、ひとまずつべこべとしゃべらない。しゃべったらボロ(余計なこと)も出やすくなりますし。

いかんせん「話し上手は聞き上手」と昔から言いますから。自分の言い分の前に、相手の言い分を聞くことから入るというのも作戦としてはアリとなのでは?そうした「言い分を聞く」という傾聴や聴聞の態度というものは「相手への敬意表明」にも繋がりやすいと思います。なぜなら、人間って「自分の話を良く聞いてくれる人に好意を抱く」といわれますから。

そうした拝聴姿勢を通じ、まずは「謝罪の土壌」から築ていければ謝罪の誠意は伝わりそうです。